トルクベクトル制御ユニットに当社のITCCが搭載される
~日産自動車株式会社 新型車「ジューク」に搭載~
株式会社ジェイテクトは、現在量産している電子制御4WDカップリング(以下:ITCC(※1))の一部変更を行い、日産自動車株式会社 新型車「ジューク」のトルクベクトル制御ユニット(※2)へ搭載されました。
ITCCは、電子制御により駆動力を連続的に可変して伝達するカップリングで、通常は四輪駆動車のリヤディファレンシャルとプロペラシャフトの間に搭載され、前後輪の駆動力を100:0~50:50まで連続的に可変することで、高い燃費効率と優れたトラクション性能を両立する装置です。そのコアとなる技術は、シリコンを含有したダイヤモンドライクカーボン(DLC-Si)という、ダイヤモンドに近い特性を持ち、摩耗に強い非結晶の炭素を、数ミクロンの膜として被覆した電磁クラッチと専用開発のフルードであり、小型で優れた耐久性と静粛性を併せ持っております。
今回、ITCCの最大の特長である「小型で優れた耐久性と静粛性」と四輪駆動車に搭載されている実績、信頼性が評価され、日産自動車株式会社から発売された、コンパクトスポーツクロスオーバー「ジューク」の「ALL MODE 4X4-i(トルクベクトル付)」(※3)に採用されました。
日産自動車株式会社で開発された「ALL MODE 4X4-i(トルクベクトル付)」は、運転操作や走行状態に応じて後輪へ最適なトルクを配分する機能に加え、リアファイナルドライブ内の左右に搭載した電子制御カップリング(ITCC)により、後輪左右の自在なトルクを配分も可能とし、コーナリング時は後輪の外輪に大きなトルクを配分し、車両に旋回モーメントを与えることでアンダーステアを抑制した意のままのライントレースと、ステアリング操作に対する俊敏なレスポンスでスポーティなハンドリング性能を実現しています。(※4)
今回、ITCCをトルクベクトル制御ユニットに適用可能にしたことで、前後輪の駆動力の可変のみならず、左右輪の駆動力の可変をすることができるようになり、車両におけるITCCの活用範囲が広がりました。ITCCが車両の駆動力可変部分へ搭載されることにより、更なる安心、安全、快適を提供してまいります。
※1:電子制御4WDカップリング Intelligent Torque Controlled Couplingの略
ITCCは株式会社ジェイテクトの登録商標です。
※2:後輪左右の駆動力制御
※3:日産自動車株式会社のトルクベクトル機能付き四輪駆動システム
※4:日産自動車株式会社ホームページから一部引用